tofubeatsのアルバム「RUN」と「POSITVE」の比較 〜自らの職業体験を通じて〜

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最近、tofubeatsのアルバム「RUN」がとても心地良い。

リリース自体は2018年で去年だが、硬質なサウンドや、感傷的だがどこか落ち着いているようなアルバムの雰囲気が今の自分にとてもマッチしている。

 

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話は変わるが、これまで自分がtofubeatsで一番好きなアルバムは「POSITIVE」だった。単純な理由だが、ポップなメロディで色々なゲストのボーカルを楽しめ、ほとんどの曲がボーカル付きで聴きやすく、歌詞がユニークだ。

その中でも特に好きなのは、[too many girls]で、 "too many girlsって何の話?" と "tofuはイーモバ3台持ってるらしい" で韻を踏んでいるリリックは最高だ。

これまでのKREVAのモテ男目線の話から、急に真逆のオタク目線になり、切ないラップが始まる。ここで一気に感情移入できる。

 

 

だが、最近、tofubeatsだとやはり「RUN」が聴きやすく感情移入できるのである。

これはどうしてだろうと考えていたら、本人の「RUN」についてのインタビューを見つけた。

その中で、tofubeats本人が、アルバムを聞き直してみると「RUN」は自力で何とかしようと気持ちが出ていて、「POSITVE」は他力で何とかして欲しいと願っていると語っていた。

 

この説明で、自分の中の「RUN」「POSITIVE」論争の謎が解けた。

 

自分は、大学を卒業し、就職して一年がたつ。会社にはもう次の新卒が入ってきており、2年目の先輩である。

広告営業という職業は少しだけ慣れ、なかなか仕事は追いつかないが奮闘し出した頃だ。

ここでわずかに変わってきたことは、行動への意識である。

インドに一人旅に行ったり、アメリカに留学に行くことばかりが行動ではないと思うが、

考え、行動し、結果をしっかりと見つめ、分析する。といった行動と反省の大切さは社会人になって、非常に学んだ事である。

特に営業は、自分で動かなければ何も進まない職種なので強く意識付けられた。分かっていてもできない事ばかりではある。面倒臭いし。

 

そういった考えを持ち始めると、「RUN」は全てtofubeatsがボーカルをとり、自力で、強い意志を持ちながら行動し、時に感傷的になったりもしつつ、それらの障壁を乗り越えていくようなアルバムの流れが見えてきたような気がしたのである。

一方、「POSITIVE」は学生時代に努力はするのだが、切羽詰まっておらず、どこか他力本願な感覚がマッチしていたのかなと考える事もできる。

 

そのような相反するコンセプトを持つアルバムはtofubeats自身が歳をとり考え方や意識が変わりながら、生まれたものなのだろう。そんなようなことを同じインタビューでも言っていたと思う。

それも踏まえ考えると、自分も歳を重ね、徐々に感覚も変わり、社会人になっているのかもしれないと再確認させられた。